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なぜリベラルは若者の支持を集められずネット上での争いに負けてきたのか?考察と打開策を探る

なぜリベラルはネット上で支持を集めることができなかったのか?

なぜリベラルは若者の支持を集められずにネット上の争いに負けてきたのか?
なぜリベラルは若者の支持を集められずにネット上の争いに負けてきたのか?

結論から言えば、リベラルがネットでの情報発信を怠り、ネトウヨのデマ拡散に対抗することができなかったからです。 特に若い世代はネットの接触時間が長く、まとめサイトYouTubeで拡散されるネトウヨ情報に接触する機会もそれだけ多いのです。

ネット上でのリベラル派の活動はTwitterFacebookが中心で、まとめサイトYouTubeの動画などのストック型の情報発信が不足していました。

さりげなくGoogle検索やYouTubeで政治や社会についての情報を調べると検索上位に産経新聞や保守速報などのネトウヨ情報が表示されるため、これを鵜呑みにしてしまうことが多かったのでしょう。

まとめサイトについて知らない方向けに解説をすると、まとめサイトとは、ネットの巨大掲示板サイト5ちゃんねるの情報をスレッドごとに整理して記事にまとめるブログのことです。

有名なサイトには

  • オレ的ゲーム速報@刃
  • はちま起稿
  • ハムスター速報
  • 痛いニュース
  • 保守速報

などが挙げられます。

まとめサイトの特徴として、管理人の多くがネトウヨで、記事もネトウヨ寄りの論調でまとめられることが多いことです。

驚くべきことに、現在の5chのマジョリティはそれほど保守寄りではなく、むしろ政権批判の声が主流なほどですが、まとめサイトではあたかも政権支持の声が多数であるかのような記事に加工されます。

まとめサイトには相互RSSという仕組みが導入されており、複数のまとめサイトを効率的に巡回することができます。

多くの記事をリスト形式でチェックすることができるため、まとめサイトを見るだけで暇つぶしができてしまいます。

まとめサイトと同様に重要なのはアンテナサイトの存在です。アンテナサイトはまとめサイトの新着記事を横断的に読むことができて便利なので普及しましたが、このアンテナサイトに野党叩きのデマ記事が紛れ込むことでネトウヨ情報が拡散してきた背景があります。

まとめサイトを見るのは基本的に無料です。ゲームやアニメなどの面白い話題を中心に扱い、スマートフォンを使って気軽に見ることができるので、暇つぶしにまとめサイトを見る習慣のある若者が多いです。毎日の通勤通学中の電車やバスの車内でまとめサイトを見る人もよく見かけます。

リベラルが問題視すべきなのは、このまとめサイト立憲民主党のようなリベラル政党のデマが頻繁に拡散されることです。

まとめサイトはアニメやゲームなど娯楽中心の内容ですが、記事のタイトルを眺めてみると一定割合で、野党・リベラル叩きの記事が混じっていることに気づくはずです。

このように「野党やリベラル勢力が中国や北朝鮮のスパイである」や「リベラルは傲慢なインテリで大衆を見下している」とかのデマがまとめサイト経由で拡散され、若者世代に浸透しています。

結果として、「反日勢力の手先である野党よりマシ」ということで若者の自民党支持率は上がり、リベラル政党の支持が皆無に近い状態になってしまったのです。

このまとめサイト群の運営には自民党やその関係者が直接関係しているのでは疑う声もあります。

自民党は初期の段階でインターネットを使用した広報活動に注目して、J-NSC自民党ネットサポーターズクラブ)を組織するなどの積極的なネット広報活動に注力してきました。

自民党まとめサイトの関係を直接示す証拠は見つかっていませんが、実際にまとめサイトを観察していると、驚くほど自民党と足並みが揃っていることに気づくはずです。

リベラルはこのようなまとめサイトの脅威にどのように対抗すべきなのでしょうか?

1つの答えは、リベラルが自ら積極的にまとめサイトの運営に関わることです。

ネトウヨのデマに対抗するには、ネトウヨ以上の情報発信力を獲得することが必要です。デマに対抗するためには、デマを流される前に真実を伝えることがもっとも効果的でしょう。事実認識がまっさらな状態にデマを植え付けるのは容易ですが、前提知識があると矛盾に気がついてしまうため、デマの拡散に歯止めをかけることができるため効果的です。

リベラルは政治・社会、経済問題に前向きに取り組んでおり、決して北朝鮮や中国の手先などではないことをインターネットを介してアピールすべきです。

インターネットでは、リベラルは在日外国人や女性など分かりやすい被差別属性を持った人たちの権利擁護ばかりに熱心で、マジョリティである日本人男性の権利問題がおろそかになっていたという認識が広まっています。失われた20年の中で、賃金は右肩下がりになり、非正規雇用の割合は増加し、ブラック労働が蔓延しました。このような社会状況の中で従来日本社会の中で強者とされてきたマジョリティの日本人男性も苦しんでいました。これに対してリベラルはブラック企業の問題を訴えるなどの一定の取り組みを行ってきましたが、十分ではないと考えられています。

これは自民党支持率が男性で非常に高いことやネトウヨの大半が中高年男性であることと関係があると見て差し支えないでしょう。これに対しては、ブラック企業非正規雇用、低賃金などの労働問題や所得再分配政策を積極的にアピールすることで打開可能だと考えています。

この点に関しては別の記事で詳しく論じさせていただきます。

また、まとめサイトの運営が軌道に乗れば少なからぬ広告収入を得ることもできます。従来のリベラルの運動の問題点としてはビジネスの観点が欠如していたことです。一方のネトウヨ勢力はまとめサイトYouTubeチャンネル、ネトウヨ本の出版を通じて着実に資金力を蓄えていきました。リベラルも同じ手段で対抗すべきです。

短期的な目標としてはリベラル向けの情報サイトとして収益化を実現すること、中長期的な目標としては一般層にリーチして、検索上位に表示されることを目指すべきです。

この記事は(@ishtarist)さんの一連のツイートを参考に書かせていただきました。

(@ishtarist)さんの一連のツイート集

安倍政権の長期政権化とネット戦略の奏功

ネトウヨのデマがまとめサイト経由で拡散されてきた

どっちもどっち論に引き込まれないためには?

マイノリティ擁護を重視するあまりに一般市民の問題を無視してきた

リベラルは庶民の立場から社会問題を語るべき

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